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クロスフェードデモ

セルフライナー

「ファミリーレディオショー曲集さん太郎 ~木枯らし一号~」、私ことYokemuraの通算3作目となるソロアルバムです。
1作目は26年前(1997年; Takeshi.Y名義)、2作目は4年前(2019年)の作品です。1作目がだいぶ昔ではありますが、「バンド活動をしながらソロも出している人」の制作ペースとしては、わりと普通なのかもと思ったりしています。

アルバム名は、後述のようにファミリーレディオショー内で作った曲の曲集であるということと、前作からの踏襲で「~さん太郎」を付けたいということと、タイトル曲のイメージを全面に出したいということを全部入れたいと考えた結果、「ファミリーレディオショー曲集さん太郎」をタイトルとして「木枯らし一号」をサブタイトルにすることにしました。まあ要は何も工夫せず全部盛りにしました。

本作品は、週一回生放送している「ファミリーレディオショー」の中の、その場で即興で作曲するコーナーで作られた曲から、5曲を選んでアレンジ・録音して収録しています。
番組内での作曲コーナーは毎回20~30分ほどで、多くは1コーラスだけ作って、気に入ったものはもう1回時間をとってフルコーラスを完成させています。ですのでおおよそ「作曲」の時間は5曲で5時間弱ということになります。
この「作曲」に含まれるのは歌詞・メロディ・コード進行で、アレンジや録音は別途時間をかけて制作しています。作曲よりもこちらの方が時間がかかっていると思います。
とはいえ、YMCKのアレンジと違い、全体的に音を詰め込まずにゆったりと力の抜けたアレンジとなっているので、普段と比べればずいぶん短時間で完成させています。

番組の中ではリスナーの皆様からお題をいただいてそれをヒントに作詞・作曲していますが、リアルタイム放送ということもあり季節をテーマにした曲になることがよくあります。本作の5曲も、すべて季節感のある曲となりました。季節の歌がほとんどないYMCKとは対照的ですね。

季節の曲が多いという割に、春真っ只中に「木枯らし一号」という季節外れなタイトルで発売してしまうわけですが、これには特に深い意味はありません。春に出すのだから春っぽい曲を・・・と思ったけど春の曲でうまくまとまったものができなかったので、じゃあ何でもいいかということで単純にアルバムを印象づける曲をタイトルに据えました。

そのタイトル曲が70年代のイメージなので、ジャケットのイメージも70年代のレコードを意識したものにしてみました。衣装についてはMidoriにスタイリングをお願いして、実際に買いに行ったりしました。シャツと上着はすぐ見つかった一方、当時で言うところのいわゆる「パンタロン」がなかなか見つからず苦労しました。古着屋ひしめく下北沢で探したのですが、そんな場所でも見つからないものは見つからないのだなというのは意外でした。
写真とデザインもMidoriに依頼しています。「木枯らし一号」のロゴは自分でレタリングしてみました。

木枯らし一号
本アルバムのタイトル曲で、前述のとおり70年代のはっぴぃえんどあたりをイメージしたアレンジです。生楽器とオルガン・エレピなどのシンプルなアレンジになっています。
こういう70年代っぽいアレンジは1作目「DAYS+NIGHTS」でも全面に押し出していて、まあ未だに芸風が変わってないなと改めて思う次第です。ただ、「DAYS+NIGHTS」は全体に渋谷系を意識した曲調ですが、こちらはもっとレイドバックした、本当の70年代に近い雰囲気を意識しています。ハーモニカもちょっとそれっぽさに貢献してるかもしれません。
コーラスはMidoriに歌ってもらいました。コーラスの音声は、YMCKでのオーディオ処理と比べると少し処理が甘いんですが、70年代っぽさを出すためにあえて綺麗にしすぎないようにしています。
雨音響いて屋根の上
本作唯一のチップチューンです。3和音(+PCM)を守って、極力シンプルなアレンジにしました。
梅雨どきの雨の静かな日と、その後の晴れ間の情景を歌っています。
少しクラシカルに対位法っぽく音を配置していたりします(きちんと対位法を勉強したことはないので、あくまで「っぽく」ですが)
猛暑

説明不要、猛暑の歌です。
普段作らないようなメロディとコード進行ができたなと思っています。ちょっと奥田民生っぽい感じがある気もします。
ロックアレンジですが、メタル系の緻密なやつではなくかき鳴らし系のOASISとかに近い雰囲気です。けっこう猛暑の感じにマッチしているのではと思います。

以前からこういうレスポール系の太いギターの音を使ったロックを作ってみたかったのですが、ずっと手元にはシャープな音のシングルコイル系のギターしかなく、でもいざ買うとなると保管やメンテの負担も増える割に使用頻度もそれほどでもないし・・・で長年保留になっていたのですが、近年デジタル技術を駆使していろんな種類のギターの音が出せるモデリングギターというものがあるというのを知って、それを買って早速この曲で活用してみました。ちゃんと雰囲気出ているのではないかと思います。

1曲目に続き、この曲と後の2曲も間奏はハーモニカです。特にこの曲などはギターソロでも良さそうなところですが、今作は全体に気持ちがフォーク寄りなのか、なんとなくハーモニカをチョイスする結果となりました。

いろいろな懐かしい夏の情景が歌われていますが、お気に入りは「ワレワレハウチュウジンダ」です。今の子供も同じことをやるんでしょうか。

1%のムーンライト

後半2曲は疑似ライブ仕立てです。どちらももともとアコースティックでシンプルなアレンジがいいなと思っていたのですが、それならライブ風にしたらいいかも?とふと思い立って、そんな雰囲気に音を加工してみたら思いのほかちゃんとライブっぽくなったので、この路線でいくことにしました。

ライブ収録っぽい音にするにあたって、リバーブ感が肝なのは当然なのですが、もう一つけっこうキーになっていると思うのがギターの音です。これはアコースティックギターに後付で取り付けるタイプのマグネティックピックアップの音なんですが、この妙にペラペラな質感の音が「この手のライブでいかにもありそう」な感じを醸しているなと感じています。この曲よりも次の曲でよりそれが感じられるかもしれません。あとはあえてコンプを浅くして音量のムラを残すとかの地味な「逆調整」も行っていたりします。

ファミリーレディオショーのこの曲の回をお聞きになった方はご存知かと思いますが、この曲のテーマとなったのは、とあるクッキーの味わいをアイスで再現したというお菓子を買ってみたところ、"そのクッキー" の生地はなんと1%しか使われていなかった・・・という出来事です。(クッキーの名前はここでは伏せますが、いったい何ていうクッキーなのか気になりますね!)

それと、曲中で出てくる "部屋から眺めてるだけ" というような表現は、この曲を作った時期がコロナによる外出自粛が一番厳しかったときで、最近ずっと窓からの景色ばっかり見ている・・・という状況も反映していたりします。

1曲目に続き、この曲と次の曲ではMidoriがコーラスを歌ってくれています。

今宵の月はスーパームーン

「月」の歌が2つあったので、あえて並べてみました。この曲は、文字通り「スーパームーン」が見られた時に作った曲です。
スーパームーンという単語を聞いて「今宵の月はスーパームーン」というフレーズを思いついたんですが、あまりに何のひねりもないのが逆に面白くて歌にしてみました。

ギターの音は左側と右側の2本が入っているのですが、片方は先に述べたマグネティックピックアップの音で、もう片方は「猛暑」でも使ったモデリングギターの音です。見た目はエレキなのにちゃんとしたアコースティックの音が出るし、録音してみてもちゃんとそれっぽくなるというのは驚きでした。ちなみに裏設定としては、前曲とこの曲は同じライブで、前曲でキーボードを弾いていた人がこの曲ではギターに持ち替えているということになってます。

疑似ライブなので拍手の音とかも入れたわけですが、これがなんとも馬鹿馬鹿しくも面白い作業でした。始まる前に拍手していいのかどうなのかちょっと微妙な感じになったり、終わった時に早々に拍手を始める人と完全に終わってから拍手を始める人がいたりというのをシミュレートしながら入れたりしました。
何かの機会に擬似じゃなくて本当にこのサウンドでライブをしてみたいですね。

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